『銀天デパート物語』 第ニ話
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☆デパートの鍵 貸します☆
イラスト☆K(ケイ)
K(ケイ)です!
声のするほうへ 振り返ると ・・・
上質の生地で仕立てた背広姿の年配の男性が!
身なりは良いけど けっして派手な印象を与えない むしろ
相手を立てるような控えめな態度の・・・
まるで どこかの豪邸の・・・
「 アナタ なんだか・・・ 執事みたい~~!? 」
「 はい! 長年 あるお屋敷で 執事をしておりまして
ミナミと申します!
貴方様 やはり 洞察力がおありですね~~ 」
洞察力なんかなくても・・・ 誰が見たって・・・
まさに執事そのものじゃん!!!
カジュアルな商店街には まったく不似合いなそのカッコウ!
怪しい! すぐに 別れなくては・・・ と思いつつ・・・何故か
気づけば お寿司屋さんのカウンター席!
カウンター席の誘惑に 負けてしまったか~~~
「 今日は アワビとサザエとウニとイクラのいいのが
はいってますよ~~! ピンピンの車海老も 天ぷらで
いかがですか? お飲み物は ビール? それとも日本酒で? 」
あれ!? 寿司屋の大将 《銀天》のキンジロウに そっくり!
おまけに 今どき ねじり鉢巻のお寿司屋さん???
「 アワビもサザエもウニもイクラも車海老も
ビールも日本酒も・・・ぜ~んぶ ダメです~ 」 ( これは 実話!)
「 あらら~ お客さん せっかく 天草に住んでいるのに
もったいないな~
東京でも なかなか食べられない食材ばかりですよ~ 」
「 そうですよ こんなに新鮮なものが こんなに
手頃な値段で食べられるなんて 地元の人は幸せですね~ 」
( ふ~ん・・・ この人 もしかして 東京のヒトかも ・・・ )
「 でしたら 海苔巻きかイナリ寿司でも 如何ですか?
寿司屋にお誘いして 申し訳ありませんでしたねえ~~ 」
「 い~えっ! 握ってもらいますよっ! 握り寿司!
せっかく カウンター席にいるのにさあ~~
なにが悲しくて 海苔巻きィ~! イナリ寿司ィ~!
まずは・・・ 天然の鯛と 天然のヒラメと あとは天然の
一本釣りのアジを握ってちょうだい!
それから 地ダコとイカも! 外国産はダメよ!
それから 天草大王の茶碗蒸しと・・・ デザートは
アイスクリームの天ぷら~!」
「 お、お客さ~ん けっこうヤルじゃないっスカ!」
ということで たらふくゴチになったアタシでした~~
熱いのか冷たいのかわからない ビミョーな食感の
アイスクリームの天ぷらも完食デス!
すると その年配の男性は 背広の内ポケットをゴソゴソ ・・・
てっきり お財布でも取り出すのかと思っていたら その手に
握られていたものは 皮製の小さな巾着袋・・・
アタシの目の前に それを置くと いきなり 話の核心に!
「 貴方に これを お預けしますので
どうか じゅうぶんに力を発揮してください 」
ほら~! 言わんこっちゃない! タダより高いものはない!
お寿司を奢ってもらったせいで メンドウなことに巻き込まれたら
どうしよう~~( 汗!)
「 こ、これ・・・ 何ですか~~?」
巾着袋を 恐る恐るあけてみると 中からは なんと 一個の拳銃が
もとい 数個の鍵が下がったキーホルダーが・・・!
「 それは・・・ デパートの鍵です!
貴方に お貸しします!」
昔のハリウッド映画に《アパートの鍵貸します》って
有名なコメディー映画があったけど・・・
デパートの鍵を貸されてもねえ~~
っていうか いったい どこのデパートなのよ~~???
こん天草にゃ自慢じゃなかばってん デパートなんてものは
なかもんね~~!
「 アタシに どうしろっていうのよ~~!
ねえねえ~? キタさあ~ん! 」
「 ミナミです! 」
『銀天デパート物語』 第三話 デパート出現!( ・・・に続くのか?)
*おことわり*
『銀天デパート物語』は 地元を舞台にしている性格上
実在の地名・施設・お店なども登場しますが
これはあくまでフィクションであることを ご了承下さい
第一話は コチラ から!
*** Kの《銀デパ》おまけトーク ***
値段のことを考えると カウンター席で お寿司を食べる
なんて メッソウもないK家ですが(笑)
(上ではない並みの)握りずしは 時々 お土産に買って
かえります
K家のゴヒイキのお寿司屋さんは『瓢六』さん♪
何故かって?
ん~~ K家からイチバン近いお寿司屋さんだから!(笑)
いえいえ 昔から何故か ここのお寿司なんですよね~
この中で Kが食べられないウニとエビは 家族が
喜んで食べております(爆)