『銀天デパート物語』 第九話
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☆ ショップオープン!☆ イラスト☆K(ケイ)
初めまして♪ フラワーショップ『フローリストEMI』
のオーナーの《エミ》です!
銀天デパート一階フロアに 『フローリストEMI』
本日 オープンいたしました!!!
名前のエミ=笑み=スマイルをモットーに
お客さまに おもわずニッコリしていただける
花束やアレンジメントを創作していきたいと
思っています ♪ ♪ ♪
季節感のあるフラワーアレンジの講習会なども
ぜひ やってみたいですねえ ♪
通りに面したお店なので どうかお気軽に お立ち寄り
くださいませ~~
「 銀天デパートで最初にオープンしたお店は
お花屋さんでした~ ♪ ルン ♪
23才の若きオーナー エミちゃんの今後に期待デス!
でもさあ~ その若さで 自分のお店を持てたなんて
エライよねえ~~ 」
「 そうなんですよ~ Kさん
まさか デパートの一階に出店できるなんて 私自身
思ってもいませんでしたから・・・
私の実家は カーネーションや菊の花の栽培農家
なので 私も小さい頃から 将来はお花屋さんになりたい
なあ~なんて 夢見てはいたんですけどね 」
「 お花を育てるより お花屋さんのほうを
やりたかったわけなのね~~ 」
「 お花の栽培にも興味はあるんですが でも
私はやっぱり 私が作った花束やブーケやアレンジを
喜んでくださるお客様の笑顔を 直に見たくて(笑)」
「 お客様に笑顔になってもらえる仕事って
ステキよねえ~ アタシも花屋さんになろうかしらん 」
「 もしかして 花屋の仕事は 綺麗な仕事
だって思っていませんか~?
綺麗なのは お花たちだけですよ(笑)
実際は 傍目から見るより 大変な仕事なんです
水仕事なので手は荒れちゃうし 水の入ったバケツや
観葉植物の鉢は すご~く重たいし Kさんだったら
きっと ギックリ腰になっちゃいますよ~~ 」
「 え~っ! 花屋さんの仕事って そんなに
肉体労働なのお~!? んじゃ やめとく! 」
「 《Webの駅》や《かたらんな》で 《銀デパ》が
テナント募集しているという記事を見て お話だけでも
伺おうかなと思って やって来たんですけど・・・ 」
「 最初に会った時 アタシのこと お掃除の
オバちゃんって思ったんでしょ~!
デパートの責任者ってガラでもないもんねえ~(笑)」
「 アハッ! Kさんが ここの責任者ってこと
にもビックリしたけど(失礼!) それよりもっと驚いた
のは 1Fフロアのテナント料が すっごく安いって
ことですよ~~
私が想像していたよりも 一桁違いましたもん!(笑)
だから この私でも お店をオープンすることが
出来たんですけどね ♪ 」
「 でも うまい話には 必ず裏があるのよね~ 」
「 そう(笑) テナント料がこんなに安いワケは
条件付きだからですよね~~
Kさんとシチロウさんと私の三人で手分けして 毎日
このデパート中の掃除をすることが条件!(笑)
でも 私 お掃除するのは大好きだから そんなこと
もちろん かまわないんですけどね♪ 」
「 これって 経理をやってるシチロウくんの
アイデアなのよね~~
《銀デパ》の台所事情は いまんとこ 掃除会社に委託
するほどの余裕がないんですって~~
とにかく 人件費をなるべく節約したいんだってさ~
デパートは夢を売る商売だって しょっちゅう言ってる
くせに アタシらスタッフの仕事は ずいぶんと現実的
な裏方の仕事よねえ~~ 」
「 主役は あくまでもお客様ですからね~~
でも シチロウさん 私たち若者にも開業のチャンスを
与えるために そんな苦肉の策をひねり出してくれた
んじゃないのかなあ~~ 」
「 アララ~~ ずいぶんと好意的な解釈
ですこと~~ 」(もう フォーリンラブ???)
「 とにかくこれから お花屋さん&お掃除の
お姉さんの両方で 頑張りま~す♪ ♪ ♪ 」
「 僕は デパートコンシェルジュ&お掃除の
お兄さんですよ~ ♪ ♪ ♪ 」
「 アタシは デパートの責任者&お掃除の
おオバちゃんってことかあ~~ 結局は(苦笑)
ところでさあ~~ どこのお花屋さんにもある
お花の冷蔵ケースが エミちゃんのお店にはないよね
もし必要だったら 経理係りのシチロウくんに頼んで
《銀デパ》の必要経費ってことで 買ってあげようか?
彼には 文句は言わせんばい!
なんせここじゃアタシが いっちゃんエライけん!」
「 お心遣い 有難うございます ♪
実はシチロウさんのほうも Kさんと同じことを言って
くださったんですよ~~ ♪ 」
「 オヨヨ~~ ちゃっかりヌケガケ~! 」
「 それからもう一人・・・ 上品な男性の方が
フラリと立ち寄られて・・・ 開店のお祝いに 最新の冷蔵
ケースを 貴方にプレゼントいたしましょう もちろん
中に入れる薔薇の花も一緒に・・・ なんて 初対面の
見ず知らずの人から言われて ビックリしたんですよ~
「 そぎゃんこつば ヌケヌケと言える人物は
一人しかおらんたい!
エミちゃん そん人の職業 雰囲気から判断できる? 」
「 ん~~ どこかの豪邸の執事さんって
感じかなあ~~??? なんだかね(笑)」
「 ヤッパリ~!!!
なんかちょこちょこ 天草まできよっとばいね~~ 」
「 もちろん 丁寧にお断りしましたよ~~
冷蔵ケースから取り出したお花って すぐにシュンと
して可愛そうですから・・・
私のお店では お花たちは 水をはったバケツに入れて
販売しますので 」
「 エミちゃんの実家は 天草でお花を栽培
してるんだもんね
産地直送で お花も新鮮で 長持ちするわけだ 」
「 お花に関しては すごく恵まれている
んですけどね~~ でも テナント料は安くても
その他の細々した準備に費用がかかって お花を
いれるバケツを プラスチックにしたのが かなり
気にはなってたんですよ・・・
そしたら昨日 トラック便で お花を入れる容器が
たくさん届いたんです♪ 」
「 このアルミの細長いバケツも 都会的で
カッコいいよねえ~~
まるで 東京青山のお花屋さんみたい~~ ♪
こちらのアンティークのブリキのバケツも まるで
パリのお花屋さんみたい~~ ♪
ちゅうても パリには行ったことなかけどね(笑)」
「 きっと あの足長オジサマからの贈り物
ですよねえ~~ 私 ぜひお礼が言いたいので
Kさん 彼の連絡先を教えてください
彼 どうやら《銀デパ》の関係者みたいなので・・・ 」
「 ん~~ それがねえ~~
アタシも いまだに詳しく知らないのよねえ~~
あの ヒツジさんのことは・・・ 」
「 シツジですっ!
銀天デパート全館オープンまでの進捗率 只今 8%
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( テナントショップが一店舗 オープンしたので!
ちょっぴり 前進!)
次回最終話『銀天デパート物語』 第十話 何者!!!
これまでの『銀天デパート物語 』は コチラ から
はじめから読まんば ワケクチャワカランばい!
*おことわり*
『銀天デパート物語』は 地元を舞台にしている性格上
実在の地名・施設・お店なども登場しますが
これはあくまでフィクションであることを ご了承下さい