『銀天デパート物語』 第五話

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Ｋ（ケイ）です！

事態は 何だか変な方向へ・・・？？？

「 Ｋさんですよね？ 」

 「 えっ！？  どうしてアタシの名前を・・・？ 」

「 執事のミナミさんからお聞きした容姿どおりの

お方なので・・・ たぶん そうではないかと思いまして・・・ 」

あのシツジさんが この青年に アタシの容姿を どんなふうに

説明したのかを聞くのは コワイ（笑）から やめとこ～っと！

「 アナタ あの執事さんと 知り合いなの？

っていうか アナタ 誰？ このデパートに 何か用でも？ 」

「 申し遅れました   アマクサ・シチロウといいます

実は 昨日の夕方 《ハローワーク天草》で 営業終了の

時刻ギリギリまで 就職先を探していたんですが・・・ 」

「 アナタみたいな若い人には この天草じゃ

希望どおりの就職口なんて なかなか無いでしょ～～？ 」

「 そうなんですよ～～  だから  明日また出直そうと

思って ハローワークの建物から外に出たとたん ミナミさんが

僕に声をかけてきたんです 」

「 あの執事さん アナタのこと 待ち伏せでも

してたんじゃないの～？（笑）

それって アタシの場合と よく似てるのよねえ～～

アタシも 仕事が無くなって路頭に迷っていたら

彼から 声をかけられたんだもん・・・

最初はね 一緒にお寿司でもどうですか・・・なんて 」   

「 へえ～～  Ｋさんもですかあ～～

実は 僕も 夕食をご馳走になったんですよ（笑）」

「 夕食！？  昨日 夕食を奢ってもらったの？

おかしいなあ～？？？

執事さん 昨日のお昼にアタシとお寿司を食べたあと

すぐに東京へ帰ったはずなんだけど・・・

予定変更したのかしらん？？？

で、天草チャンポンでもご馳走してくれたの？ 」

「 ああ、それも美味しそうですねえ～（笑） 

でも ぼくがご馳走になったのは 《ホテルアレグリア天草》

のフランス料理のフルコースでしたよ

たしか 一人前二万円のコースだったかなあ～～

食事の前には二人で 海が見える露天風呂に入って・・・

これがほんとのハダカの付き合い・・・ なんてね  アハッ！ 」   

ヤダヤダ！ そんな責任 取れませ～ん！ 」

「 え？ 変ですねえ～～？

Ｋさんは この《銀天デパート》の責任者だって ミナミさん

から お聞きしているんですが 」  

「 なんかそんなことが書いてある書類を たった今

読んだばかりだけどさ～～ 」 

「 じゃあ 人事権も もちろん含まれていますよ 」

「 あのさあ～～ 人事権って・・・？  何ッ？」

「 はあ～～？？？  そんなことも知らないで

よく責任者が務まりますねえ～～ 」

「 そんなことも知らないで・・・ その言い方  

ムカつくう～～   だから～～ アタシ 責任者じゃないって 」

「 とにかく 僕を雇ってください！

面白そうじゃありませんかあ～  デパート経営 ♪

ダメモトで チャレンジしてみましょうよ～～

僕 一生懸命 サポートしますから！ 」

「 ダメモトって・・・ その言葉も なんかムカつく！ 

アタシは デパート経営なんて まるっきしのド素人！

アタシをサポートするったって アナタ いったいデパートの

何を知ってるっていうのよお～～ 」

「 一通りのことは！！！

だって 僕 デパートコンシェルジュですもん！ 」

はい？ デパートコンシェルジュですってえ～～！！！

デパートコンシェルジュって・・・・・・ 何ッ？？？

『銀天デパート物語』 第六話 デパートコンシェルジュ誕生！